補助金・助成金の用語集(37語)

公募要領は専門用語の壁で挫折しがちです。申請から入金までに登場する用語37語を、初めての人向けに平易な言葉で解説します。全体の流れは申請の完全ガイドで確認できます。

制度の基本

補助金
国や自治体が政策目的に沿う事業の経費の一部を支給する制度。予算と採択件数が決まっており、審査により採否が決まる(不採択があり得る)。原則返済不要。
助成金
要件を満たせば原則受給できる支援金。厚生労働省系の雇用関係助成金が代表例。補助金と名称が厳密に使い分けられていない制度も多い。
交付金
国から自治体などへ交付される資金。事業者が直接受け取るものではないことが多いが、交付金を原資にした自治体の補助金は多数ある。
公募要領
補助金の対象者・対象経費・補助率・スケジュール・審査基準などを定めた公式文書。申請前に必ず全体を確認すべき一次情報。
公募型/通年型
期間を区切って募集し審査する方式が公募型。年間を通じて随時受け付けるのが通年型。公募型は「次回公募」を待つ判断もあり得る。
執行団体(事務局)
国に代わって補助金の公募・審査・交付事務を行う民間団体・法人。問い合わせ先が省庁ではなく執行団体になっている制度も多い。

申請手続き

GビズID
法人・個人事業主向けの行政サービス共通認証ID。国の補助金の電子申請にはGビズIDプライムが必要。取得は無料だが発行に時間がかかる場合があるため早めの取得が定石。
jGrants(Jグランツ)
デジタル庁が運営する補助金の電子申請システム。国と一部自治体の補助金をオンラインで申請できる。ログインにはGビズIDプライムが必要。
採択
審査の結果、補助対象として選ばれること。採択=入金確定ではなく、この後に交付申請・交付決定の手続きが続く。
不採択
審査で選ばれなかったこと。多くの制度で再公募・次回公募への再申請が可能。
交付申請
採択後に、実施内容・経費の内訳を確定させて行う正式な申請。ここで提出した経費計画が補助対象の基準になる。
交付決定
交付申請を審査のうえ補助金の交付を正式に決定する行政行為。原則としてこの日より前に発注・契約・支払いした経費は補助対象外。
事前着手(交付決定前着手)
交付決定前に事業に着手すること。原則NGだが、制度によっては事前着手届の提出で例外的に認められる場合がある。必ず公募要領で確認。
加点項目
審査で加点される要素。賃上げ表明、事業継続力強化計画などの認定取得、地域要件などが典型。採択率に直結するため申請前に確認する価値が大きい。
認定経営革新等支援機関
中小企業支援の専門知識を国が認定した機関(税理士・金融機関等)。一部の補助金では支援機関の確認書が申請要件になる。

お金の流れ

精算払い(後払い)
事業完了後の実績報告と検査を経てから補助金が支払われる方式。補助金の原則形。事業期間中の支払いは自己資金等での立替が必要。
概算払い
事業完了前に補助金の一部または全部が支払われる例外的な方式。認められる制度は限られる。
実績報告
事業完了後に、実施内容と経費の支払いを証憑つきで報告する手続き。ここで不備があると減額や取消のリスクがある。
確定検査(額の確定)
実績報告をもとに補助金額を最終確定させる検査。書類検査に加えて現地調査が行われることもある。
証憑(しょうひょう)
見積書・発注書・納品書・請求書・振込記録など、取引と支払いを証明する書類。実績報告の生命線。事業開始時から揃えて保管する。
つなぎ融資
補助金入金までの立替資金を金融機関から借りること。採択通知を材料に相談できる場合がある。
ファクタリング
売掛金を買い取ってもらい早期に資金化するサービス。補助金の後払い期間の資金繰り手段のひとつ。手数料と契約条件の確認が必須。
収益納付
補助事業の成果で一定以上の収益が出た場合に、補助金の一部返還を求められる仕組み。研究開発系の補助金に多い。

要件・区分

中小企業者
中小企業基本法などで定義される企業区分。業種ごとに資本金・従業員数の基準が異なる(例: 製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下)。
小規模事業者
概ね従業員5人以下(製造業等は20人以下)の事業者区分。補助率が優遇される制度が多い。
個人事業主
法人を設立せず個人で事業を営む者。多くの補助金で中小企業者に含まれ申請可能だが、制度ごとの要件確認が必要。
みなし大企業
資本金や役員構成などで大企業と密接な関係にある中小企業。形式上は中小企業でも補助対象から除外される場合がある。
対象経費
補助の対象になる経費の範囲。機械装置費・外注費・広報費など制度ごとに細かく定義され、汎用品(PC等)や人件費は対象外の制度も多い。
補助率
対象経費のうち補助される割合(例: 2/3)。残りは自己負担。小規模事業者や賃上げ実施で優遇される制度がある。
補助上限額
補助される金額の上限。「補助率2/3・上限200万円」なら、300万円の対象経費で満額の200万円に到達する。
事業実施期間
補助対象として経費を支出できる期間。期間外の支払いは対象外。実績報告期限とあわせて必ず確認する。
地域要件
事業所の所在地に関する要件。自治体の補助金は「都内に本店登記」など細かい条件がつくことが多い。

会計・税務

補助金の課税
補助金収入は原則として法人税・所得税の課税対象。消費税は不課税。処理は税理士や会計ソフトで確認する。
圧縮記帳
補助金で固定資産を取得した場合に、課税を将来に繰り延べる会計処理。適用要件があるため税理士への確認を推奨。
財産処分制限
補助金で取得した設備等を一定期間、勝手に売却・廃棄・転用できない制限。処分する場合は承認手続きと返還が必要になることがある。
取得財産管理台帳
補助金で取得した財産を記録・管理する台帳。処分制限期間中の保管が求められる。
決算書類
申請時に直近の決算書・確定申告書の提出を求める制度が多い。創業間もない場合は事業計画で代替できる制度もある。